祈りは届くと信じてる

僕はぼんやりと外を眺める。 青々とした緑が揺れ、なぜだかを虚しさを覚える。 今は高校三年生の8月の始め。じっとりした空気が夏を誇らしげに伝えてくる。 ジリジリとうるさく鳴く蝉。「おい、信司。開けろよ。おい、信司!」 さらには五月蝿い人間だ。 嫌…

犠牲の都市

犠牲の都市完成版《仮》 犠牲の都市一 人が一人が死んで、何人救えれば納得できる?人類は一度滅びた。天に現れた黒く、巨大な星によって。人間は地下に都市を作った。その存続には犠牲が必要とされた。……堕ちてきた星は、人間に有害な粒子をまき散らした。…